その他つれづれ生田流箏曲箏全般

古い爪の形

長磯箏を購入されたNさんが、ご自宅にあったという古い爪を持ってきて見せてくださいました。それがなんと! 

確かに生田流の爪ではあるのですが、今日、私たちが目にするものとは違う形をしたものでした。

先が広がった四角形

Nさんが持ってきてくれた爪はこちらです。形をよくご覧ください。今の生田流の爪とどこが違うかお分かりになりますか?

爪輪に近い根本の部分から先端に向かうにしたがって、爪の幅が広がっています。

Wikipediaで「(箏の)爪」の項目を調べてみると、次のように説明があります。

爪の形状は流派や地域で異なる。雅楽の爪は丸くて小さい。生田流で用いる爪は角爪と呼ばれる四角い形、山田流で用いる爪は丸爪と呼ばれる先の尖った形である。この形状の差異により音色が微妙に異なる。この他歴史的に、先の広がった四角形など多少の差異がある

Wikipedia

ここに記されている「先の広がった四角形」というのが、まさにこの爪の形ですね。このような形の爪があるということを知識としては知っていたものの、実際に目にするのは初めてでした。

意外にしっくり

なんでも興味津々な私。試しにこの爪を付けて弾いてみました。

すると、意外にも指にしっくりなじむような。先端の幅が広い分、安定感があるというか、爪に力をかけやすい気がします。

どなたかご存知でしたら

さて、先ほど「知識としては知っていた」と書いたのですが…。

「そのことについて、どこで目にしたんだっけ」と手元の資料を見直しているのですが、一向に該当するものが見つかりません。

この形の爪が使われていたのは、一体いつ頃の時代なのか。どの流派が使っていたものなのか。
縁あって私の元にきてくれたからには、もう少し詳しく調べてみたいのですが…。

もし何か手がかりをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひお知らせいただけないでしょうか。コメント欄にご記入いただくか、あるいは「こちらのフォーム」からご連絡いただければ幸いです。

どんな小さなことでも構いません。何かご存知でしたら、よろしくお願い致します。

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