流派について


【生田流と山田流】

現在、日本の箏曲は大きく分けて
「生田流」と「山田流」の2つの流派に大別されます。
(注: “琉球箏曲” については、別途「琉球箏曲」のページを参照ください)

「生田流」は、主に上方(関西地方)で発展してきた諸派をまとめた呼び方。
「山田流」は、18世紀後半に山田検校が江戸で興した流派です。

この2つの流派には、音楽上の性質から
楽器、演奏スタイルに至るまで様々な相違点があります。
主な違いを以下の表にまとめてみました。

このような違いはありますが、現在では2つの流派を隔てる大きな垣根はなくなり
それぞれの交流も盛んに行われています。


【分派】

箏曲の世界は例外はあるにしても、基本的に家元制度が続いています。
このしくみは生田流でも山田流でも変わりません。

家元から指導を受けた先生が独立し、自分で弟子をとる。
その弟子が成長し先生となり、新たに弟子をとる。

そして、それぞれの先生方は家元からの指導を受けつつも、
各々独自の世界を広げていきます。こうしてできたつながりを「門」といい、
弟子が増えるにつれて一門は次第に大きくなっていきます。

やがてその中から一門を飛び出す者が現れ、新たな家元を名乗ることもあります。
これが「分派」です。以上を簡単に図に表すと次のようになるでしょうか。


現在、このようにして生まれた分派は把握しきれないほどの数が存在しています。
同じ流派とはいえ、各派にはそれぞれの特徴があり、
特に古くから伝わる“古典”と言われる曲には、その違いが顕著に感じられます。



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