「琴」と「箏」


【漢字の違いについて】

「琴」と「箏」。どちらも「コト」と読みますが、
実はそれぞれ構造が全く異なる別の楽器です。

以前はそれぞれを区別するために、
「琴(キン)のコト」「箏(ソウ)のコト」と呼び分けていたそうです。
(古来、日本では弦楽器のことを総称してコトと呼びました)

(キン)は、ポジションを押さえて音の高低を決める仕組みのコト。
“大正琴” や “一弦琴” などがこの仲間です。

一方、箏(ソウ)は、箏柱(ことじ)という “駒” を動かすことによって
音程を決める仕組みのコト。

ですから、私達が一般的にコトと呼ぶ13本の弦を持つ楽器は、
正しくは「箏」と書くのが正解です。

 『でも新聞などでは「琴」と書いているじゃない』

そういう声が聞こえてきそうですね。

なぜこのようなことが起こるかという理由は実に単純。常用漢字に「箏」という
漢字が含まれていないから…ただそれだけです。「箏」の字が使えないので、
やむなく「琴」という漢字を代用して使っている訳です。

現在、箏に携わる人の間では、この違いをきちんと区別して
使い分けようという動きが強まっています。
従って私もここでは「箏」という字を使ってご紹介しています。



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