【構造】
箏の長さは6尺(約180cm)。
幅は8寸(約24〜25cm)。
重さはものによって差がありますが、
およそ6〜7kg位です。
材質は桐で、国内産では会津桐が最も良いとされますが、
最近では輸入材も多く使われています。
弦は13本。昔は絹で作られていたそうですが
現在は、テトロンなどの合成繊維が使われています。
本体部分は木をくり抜いて作られています。
中は空洞になっていて、裏側の板には上下に1つずつ穴が開けられおり
弦から伝わる振動が共鳴する仕組みになっています。ギターなどと同じですね。
【価格】
箏の価格には構造上の違いから、大きく分けて2つのランクがあります。
次の写真を見て下さい。どちらも箏の側面を写したものです。
1枚目の写真には下4分の1くらいの部分に
横に一筋、継ぎ目があるのがお分かりいただけるでしょうか。
一方、2枚目の写真には継ぎ目がありません。
並甲(なみこう)、繰り甲(くりこう)と呼ばれる違いです。
“並甲” は本体の木をくり抜いた後、その上に裏板を貼付けただけの構造です。
それに対し “繰り甲” は、舟形にくり抜いた木の側面部分の内側を45度に切り、
そこに裏板をきちんとはめ込む様にして仕上げられています。
さらに繰り甲の箏には、木の内側にも
“綾杉”と呼ばれる波状の模様が刻まれています。
(右の写真は裏側の穴から内部を見たもの)
これらの構造の違いにより、両者には音色の差が
大きく生じます。そしてもちろんその差は
そのまま価格の違いにつながります。
さらに木の質や、木目、装飾に使われる材質(金や象牙等)などによっても
価格は変わるわけで、まさにピンからキリまで大きな幅が出ることになります。